境界確認,妨害物収去請求(事例解説)

1 Aは,隣人Bに境界を越境され,障害物を設置されたとして相談にきました。

Bは話し合いに応ぜず,現地調査・測量をして,平成13年1月に境界確認と越境部分に設置された障害物の収  去を求めて,地方裁判所に訴えを提起しました。

訴え提起から1年半後,A勝訴の第1審判決が下りました。

Bは控訴しましたが,その半年後,控訴棄却の判決が言い渡されました。

Bは,上告及び上告受理の申し立てをしましたが,7か月後,上告棄却,上告受理申立不受理の最高裁判所決定が下されました。

2 ここまでの訴訟手続も大変でしたが,執行手続はもっと大変でした。

(1)第1審の判決に仮執行宣言が付されたため,収去命令を申立て,Bが負担すべき収去費用額の確定処分も同時に申し立てました。

その結果,障害物を収去することができ,また数カ月後には,数十万円の収去費用確定処分が下されました。

(2)ところで,Bは,訴訟手続中に新たな障害物を設置していたことが,上記執行手続中に判明しました。

また,Bは,強制執行で収去した障害物についも,収去後すぐに再構築を始めました。

そこで,新たな障害物の位置を測量して特定したうえで,次のような仮処分を申し立てました。

仮処分の趣旨 ① Bは新たな障害物を設置してはならない。

② Bは,現在設置している障害物を3日以内に収去する。

③ Bが上記②を実行しないときは,AがBの費用で収去できる。

(3)裁判所は,Aの仮処分申し立てを認めました。仮処分決定には保証金が必要ですが,保証金の金額も安くしてくれました。

仮処分決定に基づき,執行を申し立てました。

(4)Bは,仮処分決定に対して,保全異議の申し立てをしましたが,地方裁判所は,異議を認めませんでした。

Bは,高等裁判所へ,保全公告を申し立てました。

Bが,保全異議や保全公告を申し立てても仮処分の執行手続は停止しませんので,仮処分の執行は完了しました。

その後,Bの執行抗告は棄却となりました。

(5)仮処分の執行はBが負担すべきものでしたので,数十万円かかった障害物を収去するためにかかった費用について,地方裁判所へ執行費用確定決定を申し立てました。

執行費用確定処分に対しても,Bは,異議を申立て,異議申立てが棄却されると,執行抗告を申し立てました。

しかし,Bの執行抗告も棄却されました。

 

 

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